最終更新日:2026年7月16日
この記事では、専門業務型裁量労働制の対象となる20業務(職種一覧)、営業職が適用外となる理由、みなし残業代制との違い、導入のメリット・デメリットまでを、労務担当者向けにわかりやすく整理します。
みなし労働時間制とは?裁量労働制の種類と対象職
「みなし労働時間制」という言葉、聞いたことがあるかと思います。
「みなし労働時間制」とは、実際に働いた時間にかかわらず事前に決められた労働時間を働いたとみなす制度です。
いきなり余談になりますが、「みなし労働時間制」と混同されがちなものに「みなし残業代制」があります。「みなし残業代制」は、「固定残業代制」とも呼ばれ、一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金のことで、「みなし労働時間制」とはまったく違うものです。
みなし労働時間制の適用対象としては、営業職など事業場外で業務することが多く正確な労働時間の算出が難しい場合や、専門性が高い仕事で労働者に時間管理を任せた方が高いパフォーマンスが期待できる場合が想定されています。
みなし労働時間制には、「事業場外みなし労働時間制」と「裁量労働制」があり、今回は深堀されることの少ない「裁量労働制」について簡単に解説していきます。
「自社の職種が対象になるか分からない」という段階でも大丈夫です。
専門家がわかりやすくお答えします。
裁量労働制とは?専門業務型と企画業務型の違い
みなし労働時間制のひとつである「裁量労働制」は、労働時間を実際に働いた実働時間ではなく、企業と労働者との間で労使協定に定めた一定の時間を「労働時間」とみなして賃金を支払う制度です。
📝 裁量労働制を導入する際も、労働条件の明示は必須です。労働条件通知書の正しい作成方法もあわせてご確認ください。
つまり勤務時間の制限がなくなり、労働者の裁量で労働時間を管理できます。
そのため、「必ず○○時間働かなければならない」という縛りがなく、一定の時間に実働が満たない場合でも「契約した時間どおりに働いた」とみなされます。ただし、裁量労働制は適用できる職種が決まっています。
専門職に適用できる裁量労働制は「専門業務型裁量労働制」といい、経営・企画管理などのホワイトカラーに適用できる裁量労働制は「企画業務型裁量労働制」と呼ばれ、それぞれに運用ルールも定められています。

今回はまず「専門業務型裁量労働制」について見ていきましょう。
専門業務型裁量労働制の対象となる20業務(職種一覧)|営業職は適用外
「専門業務型裁量労働制」は、企業が業務遂行の方法や時間配分の決定等を指示することが難しい20の業務のみに適用されます。
| No. | 対象業務 | No. | 対象業務 |
|---|---|---|---|
| 1 | 新商品・新技術の研究開発、人文・自然科学の研究 | 11 | 金融工学等を用いた金融商品の開発 |
| 2 | 情報処理システムの分析・設計 | 12 | 大学における教授研究 |
| 3 | 新聞・出版の記事取材・編集、放送番組制作の取材・編集 | 13 | M&Aアドバイザー |
| 4 | 衣服・室内装飾・工業製品・広告等のデザイン考案 | 14 | 公認会計士 |
| 5 | 放送番組・映画等のプロデューサー、ディレクター | 15 | 弁護士 |
| 6 | コピーライター | 16 | 建築士 |
| 7 | システムコンサルタント | 17 | 不動産鑑定士 |
| 8 | インテリアコーディネーター | 18 | 弁理士 |
| 9 | ゲーム用ソフトウェアの創作 | 19 | 税理士 |
| 10 | 証券アナリスト | 20 | 中小企業診断士 |
なお、一般的な営業職は専門業務型裁量労働制の対象となる20業務に含まれていません。営業職には「事業場外みなし労働時間制」が適用される場合があります。
専門業務型裁量労働制のメリット・デメリット
専門業務型裁量労働制にはメリット・デメリットがあるので、それぞれをよく理解した上で導入を検討することが重要です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| メリット |
人件費の予測がしやすい 実際の労働時間ではなく、みなし労働時間で賃金を支払うため、あらかじめ人件費を把握できる。 生産性の向上が期待できる 時間に縛られず従業員の裁量で働けるため、ワークライフバランスの充実や業務への集中度が高まり、生産性の向上が期待できる。 優秀な人材が確保しやすい 対象業務で働く能力のある求職者にとって、裁量の大きい働き方はアピールポイントとなり、優秀な人材の確保につながる。 |
| デメリット |
就業状況の管理が難しい 時間配分などを大幅に従業員の裁量に委ねるため、適切な労働時間管理や業務の進捗管理が難しく、長時間労働の発生リスクが高まる。 |
📝 裁量労働制を導入する場合でも、長時間労働を防ぐための労働時間管理は欠かせません。時間外労働の上限規制についてもあわせてご確認ください。
以上が専門業務型裁量労働制の基礎解説でした。今後は、企画業務型裁量労働制についても解説していく予定です。具体的な導入方法や注意点など気になることがありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
裁量労働制の詳細については、厚生労働省の公式ページをご覧ください。
参照:厚生労働省「裁量労働制の概要」
/ 社労士法人Aokiにご相談ください \
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裁量労働制の詳細については、厚生労働省の公式ページをご覧ください
– 参照 厚生労働省「裁量労働制の概要」
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