最終更新:2026年5月7日
子ども・子育て支援金制度とは
令和8年度(2026年4月)から、子ども・子育て支援金制度がスタートします。これは、少子化・人口減少が進む中で、子どもや子育て世帯を社会全体で支える制度です。
企業は、従業員の賃金から支援金を徴収して国に納める必要があり、給与計算の際に新たな事務が生じます。本稿では、子ども・子育て支援金制度について説明します。事務の見直しの参考にしてください。
健康保険料に上乗せ
子ども・子育て支援金は、子ども・子育て支援法などに基づいて、国が国民や企業から集めるお金です。子どものいる人、子育てを終えた人、単身世帯、高齢者などすべての世代が支払います。集まった支援金は、児童手当や育児休業給付金の拡充などに使われます。
企業は、健康保険に加入している従業員の賃金から、健康保険料に上乗せして天引きし、事業主の負担分を合わせて国へ納めます。納付するのは、令和8年4月分の保険料(5月末納付分)からです。
子ども・子育て支援金の計算方法|標準報酬月額×支援金率0.23%
支援金の額は、毎月の給与では、各従業員の「標準報酬月額×支援金率」で、賞与を支給した場合には「標準賞与額×支援金率」で計算します。
令和8年度の支援金率は0.23%で、原則として従業員と事業主が0.115%ずつ負担します。
年収別の支援金負担額一覧|200万〜1,000万円の月額試算
政府が年収別の支援金額を試算しているので、以下に紹介します。
| 年収 | 被保険者一人当たり(月額) |
|---|---|
| 200万円 | 192円 |
| 400万円 | 384円 |
| 600万円 | 575円 |
| 800万円 | 767円 |
| 1,000万円 | 959円 |
※出典:こども家庭庁「年収別の支援金額の試算(令和8年度)」
注1:算出方法は以下のとおり。
・年収(標準報酬総額。毎月の給料とボーナスの合計額)に、国が示す一律の支援金率(0.23%)を掛けて年額を算出。
・年額を、12で割って月額にしたものに、1/2(本人拠出分)を掛けて算出。
注2:令和8年度より支援金を拠出いただくことになるが、社会保障の歳出改革等を行うことで、支援金による負担は相殺されるため、支援金導入に伴う実質的な負担は生じない。
「拠出金」も引き続き納付
支援金の額を従業員に知らせるために、給与明細に明記することが望ましいですが、現時点では義務にはなっていません。
ただし、支援金は従業員の手取り額に影響するため、労使トラブル防止の観点から、給与計算システムの改修で対応できる場合には支援金額を明示し、対応できない場合には、別途、書類を作るなどして従業員に説明すると良いでしょう。
企業が納める支援金の額は、日本年金機構から毎月企業へ届く納入告知書に記載されるので、納入告知書に従って納付します。
子ども・子育て支援金と「子ども・子育て拠出金」の違い|0.23%と0.36%の比較
子ども・子育て支援金とは別に、企業は現在、「子ども・子育て拠出金」を納めています。厚生年金保険料と併せて徴収し、事業主のみが負担する制度です。金額は現在、標準報酬月額や標準賞与額の0.36%となっています。
なお、「子ども・子育て拠出金」は、4月に子ども・子育て支援金が始まっても廃止されず、引き続き納付が必要となりますので、ご留意ください。
両制度の違いを以下の表に整理します。
| 項目 | 子ども・子育て支援金 (新設) |
子ども・子育て拠出金 (既存) |
|---|---|---|
| 開始時期 | 令和8年度(2026年4月〜) | 従来から納付 |
| 料率(令和8年度) | 0.23% | 0.36% |
| 負担者 | 労使折半(各0.115%) | 事業主のみ全額負担 |
| 対象者 | 健康保険の被保険者 | 厚生年金保険の被保険者 |
| 徴収方法 | 健康保険料に上乗せ | 厚生年金保険料に併せて徴収 |
| 計算式 | 標準報酬月額(または標準賞与額)×0.23% | 標準報酬月額(または標準賞与額)×0.36% |
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4月の給与計算に向けた準備事項を解説しています。
さいごに
子ども・子育て支援金への対応は、繁忙期の年度替わりに行う必要があります。しかしながら、本稿制作時点では、行政の実務資料が十分に出揃っておらず、具体的な対応方法は、今後の発信を踏まえて整理していくことになります。
そのため、こども家庭庁や協会けんぽ、各健康保険組合のホームページなどをチェックして情報収集に努めると良いでしょう。
弊所でも情報収集・発信に努めてまいりますので、子ども・子育て支援金についてご不明のことがありましたら、お気軽にご相談ください。
/ 社労士法人Aokiにご相談ください \
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