従業員が社内の様子や資料などを撮影してSNSに投稿し、問題となるケースが相次いでいます。悪意はなく、軽い気持ちで発信してしまうケースが多いようですが、社内情報が漏洩し、企業に重大な影響を与えかねません。本稿では、帝国データバンクが行ったSNS投稿に関する社内ルールの整備状況アンケートを踏まえて、具体的な対策についてお伝えします。
1.「社内ルールある」23.2%
帝国データバンクのアンケートは2026年5月に行われ、1,355社から有効回答を得ました。「社内ルールがある」と答えた企業の割合は、全体で23.2%でした。企業規模別では、大企業は50.5%に達したものの、中小企業は18.8%、小規模企業は9.8%にとどまりました。また、「ルールを設ける予定はない」という回答が、中小企業で34.3%、小規模企業で43.0%に上り、企業規模が小さいほどSNS投稿に関するルール整備が進んでいない傾向がうかがえます。
SNS投稿に関する社内ルールの有無
※出典:帝国データバンク「SNS投稿に関する社内ルールの整備状況アンケート」
2.就業規則・ガイドラインで禁止事項を明確にする
従業員による不適切なSNS投稿を防ぐには、まず、就業規則やSNSガイドラインで禁止事項を明確にしておくことが出発点となります。一般的には、就業規則の「服務規律」や「秘密保持」の項目に、従業員が業務上知り得た情報、個人情報、顧客情報、社内資料など、会社の信用を損なうおそれのある情報を、SNS、ブログ、動画投稿サイト等で発信してはならない旨を定めます。
また、違反した場合には、行為の内容、影響、故意・過失の程度等を踏まえ、就業規則に基づき懲戒処分の対象となる場合があることも明記します。会社が問題のある投稿を確認した場合に備え、投稿の削除、訂正、事実確認、再発防止への協力を求める手順も定めておきます。
あわせて、社内資料、掲示物、ホワイトボード、PC画面など、機密情報や個人情報が映り込む可能性のある対象については、私用携帯電話等による撮影を原則禁止とすることも検討します。私用携帯電話の取扱いについても、業務内容や職場環境に応じて、使用場所・時間帯や保管方法を具体的に決めておくと実務上運用しやすくなります。
入社時や配置転換時には、秘密保持やSNS利用に関する誓約書を提出してもらうことも有効です。正社員だけでなく、パート・アルバイトにも同じルールを周知し、投稿してはいけない情報の具体例を示したうえで、定期的な研修や注意喚起を行うことが効果的です。
3.さいごに
アンケートでは、企業規模が小さいほどSNS投稿に関するルール整備が進んでいない傾向がみられました。しかし、不用意な投稿により機密情報や顧客情報が流出すれば、中小企業であっても信用低下や損害賠償など重大な被害につながるおそれがあります。大がかりな制度を設けることが難しい場合でも、投稿してよいもの・してはいけないものの判断基準を示し、就業規則や誓約書、研修などを通じて、できるところから対策を進めておきましょう。
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