出張旅費について
コロナ禍における外出自粛の風潮も終わり、出張等も以前のように復活してきました。この出張の際の旅費については、支給金額を標準化して経費の無駄遣いを防ぐとともに、出張費用を確実に経費として処理できるようにするために、多くの企業で出張旅費規程を定めているのではないでしょうか。
本稿では、出張旅費について用語を整理しつつ、規程に定める旅費(日当・宿泊費)に関する実態調査の結果をご紹介いたします。
1.出張旅費について
まずは用語の整理として、日当(出張手当)と出張費について、以下にご案内します。
■日当(出張手当)とは
従業員が出張した際に支給される手当で、出張でかかった交通費や宿泊費等ではなく、出張に行ったことそれ自体に対する手当となります。
出張に行くことにより発生する食費や通信費などの雑費や、出張による長時間の移動に伴う拘束時間への代償、従業員への慰労といった意味合いも含まれています。
■出張費とは
従業員が出張した際にかかる費用全般となります。主な出張費としては、出張先でホテルに泊まった「宿泊費」、電車や新幹線、飛行機などの交通機関での移動の「交通費」、出張先での「接待費」があります。
2.出張旅費に関する実態調査
それでは、妥当な日当、出張費の水準はどれくらいの額でしょうか。参考として、以下に2023年の労務行政研究所「国内・海外出張旅費に関する実態調査」での数値をご紹介します。
■日帰り出張における日当の水準
(距離・地域、所要時間等による金額差がない場合)
| 役職 | 日当 |
|---|---|
| 役員 | |
| 社長 | 3,693円 |
| 専務 | 3,266円 |
| 常務 | 3,213円 |
| 取締役 | 3,044円 |
| 従業員 | |
| 部長クラス | 2,335円 |
| 課長クラス | 2,203円 |
| 係長クラス | 2,032円 |
| 一般社員 | 1,963円 |
■宿泊を伴う出張における日当と宿泊料の水準
(距離・地域による金額差がない場合)
| 役職 | 日当 | 宿泊料 |
|---|---|---|
| 役員 | ||
| 社長 | 4,362円 | 14,475円 |
| 専務 | 3,698円 | 13,349円 |
| 常務 | 3,616円 | 13,042円 |
| 取締役 | 3,476円 | 12,665円 |
| 従業員 | ||
| 部長クラス | 2,688円 | 10,195円 |
| 課長クラス | 2,550円 | 9,710円 |
| 係長クラス | 2,371円 | 9,319円 |
| 一般社員 | 2,309円 | 9,198円 |
※出典:労務行政研究所「国内・海外出張旅費に関する実態調査」
3.さいごに
出張旅費の金額については、社会通念上からみて妥当な金額に設定する必要があります。
「社会通念上からみて妥当」とは、「同じような規模や業種の企業が、一般的に支給している額と同様となっている」ということであって、あまりにも高額な金額を設定すると、会社の経費として認められない可能性があります。
とは言っても、「宿泊費」などは、物価上昇や宿泊施設における人材不足、訪日外国人数の増加により国内の宿泊単価が高騰しており、現行の出張旅費規程で定められている金額では、宿泊できないなどの歪みが発生している企業も出てきているようです。
出張旅費規程をお持ちの企業は、今回の調査結果や昨今の宿泊事情を考慮して、内容を見返してみてはいかがでしょうか。

