今回のブログ執筆の経緯
いきなりタイトルで面食らった方もいるかもしれません…。
今回のタイトルが「異世界で社労士は活躍できるのか」ということですが、
安心してください。ちゃんと経緯はあります。
最近、「異世界薬局」というアニメを見て、これがなかなか面白い発想だったので
いろいろと考えてしまったのです。
あらすじとしては、
薬学研究に勤しむ日本の若き主人公が、志半ばで過労死してしまい、宮廷薬師見習いのとして転生するが、
誤った治療法が蔓延している(地球でいう中世レベル)異世界を目の当たりにして、
生前の薬学の知識を活かして、異世界の治療法を正して医薬を普及し、大勢の人々を救うことを決意する…
というものです。
異世界モノ…ここまできたか…と思うのと同時に、
ふと「社労士ならどうなるかな」と考えてしまったのです。
社労士の歴史
そもそも社労士が必要とされた背景には、
「法律によって労働者の権利が確立された」ことが大きく絡んでいます。
戦後、いわゆる「労働三法(労働関係調整法・労働基準法・労働組合法)が制定されたことにより、
法律により労働者が守られるようになり、
これまで弱い立場にあった労働者にも権利意識が出てきました。
必然的に労使間の対立…いわゆるストライキ等が頻発するようになってきました。
加えて、1960年代の戦後の復興期に合わせて企業は成長し、
従業員の加入する社会保険、そして労働保険も大きく成長し始めます。
こうした流れを受け、
多様化した労務問題への対応であったり、
労働・社会保険の仕組みや申請・給付に係る事務手続きは、専門的な知識が必要なため内容も難しく、
手間もかかるので、中小企業にとって業務を請け負ってもらえる「専門家」が必要とされ、
いまの社労士へと続いているのです。
世界の労働の背景
ただこれはあくまで日本の話です。
地球の(スケールの大きい括りですね)歴史を参照すると…
中世あたりの時代ですと、
労働は『奴隷が行う苦役』という位置づけでした。
また、その労働に使用する道具を作る職人・道具を売買する商人も否定的に見られていました。
その後、キリスト教が興り、
『労働=罰』(神に背いて木の実を食べてしまったアダムへの罰としての労働) という
位置づけになりましたが、
その一方で、『人間の怠惰を防ぐ営み』として肯定的にとらえられるようになり、
労働は祈りや冥想とともに重要な行いのひとつになったのです。
異世界進出に向けて
こう考えますと…
ようやく「労働」そのものが浸透してきた世界で、
どのようにすれば、その専門家としての地位を確立できるのでしょうか。
来るべき労使間の対立を解決するためには、そもそもの根拠となる法の整備が必要で…
あぁでもそうなると、社会保障制度や雇用保険制度も整えなければいけないし…
…改めて、社労士業の歴史の深さを感じますね。