シフト制労働者の雇用管理が変わります
令和4年1月労働局より「シフト制労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項」という文書が厚生労働省より発せられました。
内容としては、ごく簡単にいうと
「労働契約書において、できるだけ事前に条件をはっきり取決しておきましょう」
というのが趣旨で、労使間紛争を未然に防ぐ事が目的だと思われます。
背景にはコロナ禍による飲食店等の休業に伴うシフト制労働者のシフトカットにおいて、会社は休業手当の支払い義務が負うのかという事が、世の中で多くの労使間トラブルを生じる原因となりました。
会社側からすれば、パート従業員のシフト組みで繁閑の人員調整をする意図もあり、一方労働者側としてはこれまでの頻度で働けることを期待・想定していたという事で双方主張がぶつかるのは当然といえば当然です。
シフト制労働者の労働日はいつになるのか?
では、所定労働時間が労働契約上で確定していないシフト制労働者における労働日とはいつになるのでしょうか?
それは毎月のシフト確定をもって「労働日」として確定します。 そのため、シフト確定前の「労働日」では無い日にはそもそも「休業」という概念が存在しないというのが、ひとつの有力な説とされています。
実務的には契約書上では、勤務日や時間数などを明確に決めず、その都度決定しているという例が多いと感じます。
契約書に労働日・時間数を定めるという事は労使間での約束をする事になり、それに反してシフトカットする場合は休業扱いになるため、本留意事項にある事を鵜呑みにするのは別の意味でのリスクがあり、会社側として頭を悩ませるところです。
契約書できちんと決める事も1つ大事な事ではありますが、できる限り争いを予防するためには一方的なシフトカットではなく、労使間での調整・やりとりが必要不可欠なのかと考えます。
日頃のやりとりや、管理者からの配慮ある言葉がけで不要なトラブルが防止できることもあります。(※訴訟等になった場合も労使間協議を行っていたかは重要視される項目の一つです)
そのための、管理者の教育は今後大切な業務の1つだと感じる次第です。
当事務所では、社員教育(管理者教育)に関するお手伝いや、セミナー・研修会を実施しております。
興味がある会社様は一度ご相談いただければと思います。