異次元の少子化対策について
「異次元の少子化対策」という言葉を、皆様も一度は耳にしているかと思います。
異次元の少子化対策とは、2023年1月に岸田首相が年頭会見で検討を表明した少子化対策のことをいいます。
これらの施策を実施していくための経済的支援の強化のために、政府は「こども未来戦略会議」を設置し、今後3年間を集中取組期間と位置づけた「加速化プラン」を提示しました。
このプランは、「経済的支援の強化」「若い世代と子育て世帯への支援拡充」「共働き・共育ての推進」「社会全体の意識改革」という4つの柱で構成されています。
10月に、このプランの中でも目玉となる「児童手当の拡充」が2ヶ月前倒して支給開始されることが発表され、また注目を浴びていますね。
今回はそんな注目を浴びている、こども未来戦略方針の中の「経済的支援の6つの施策」を抜粋して、ご紹介していこうと思います。
こども未来戦略方針の経済的支援について
★既存の児童手当の要件などを拡充する方針
<支給対象>
・18歳(高校卒業)まで拡大予定
→現在、中学卒業までの支給とされていた児童手当を、高校卒業である18歳までに延長する方針です。
→また、第3子以降に対しては月額30,000円を支給していく予定です。
<支給額(月額)>
・3歳未満:15,000円
・3歳~18歳:10,000円
・第3子以降(0~18歳):30,000円
<支給回数>
・年6回とする方針
→現在は年3回の支給
<開始時期>
・2024年12月の支給から開始する予定
→2025年2月予定でしたが、2ヶ月前倒しする方針に変更となりました。
★出産費用の公的医療保険制度の適用を検討する方針
<支給対象>
・正常分娩で出産される方
<開始時期>
・2026年度を目途に検討中
→2024年4月から、全国の病院などの出産費用やサービス内容を一覧化した専用サイトが厚生労働省のHPに開設される方針です。
★在学中は授業料を支払わず、卒業後に所得に応じて返済していく制度
→返済が始まる年収基準は300万円程度となる予定です。
<対象>
・修士課程の大学院生を対象に先行導入
<開始時期>
・2024年度から導入予定
★子どもの医療費助成に係る国庫負担の減額措置を撤廃
→現在は、不要な受診や医療費を抑制するため、小学生以上の児童の医療費助成をしている自治体への補助金を減額していましたが、この減額措置を撤廃する方針に変更となりました。
<対象>
・小学生以上の児童(詳細は未定)
<開始時期>
・具体的な実施時期などは未定
★フラット35の金利優遇
→長期固定金利の住宅ローン(フラット35)を子育て世帯などに配慮し、金利を優遇する方針です。
→子育てしやすい広さや安全面など良質な住宅取得を促す予定です。
★公営住宅への子育て世帯が優先的に入居できる仕組みの導入を検討
<対象>
・18歳未満の子どもがいる世帯や、子どもがいなくても夫婦どちらかが39歳以下の若年層世帯
<開始時期>
・フラット35:2024年の初頭
・公営住宅:未定
★育児休業給付金の給付率を「手取りの8割」→「手取りの10割」に引き上げ
★時短勤務者への給付制限を開始する予定
→手取りが変わらないような給付をしていく予定
<対象者>
・育休している男女ともに
・2歳未満の子どもがいて時短勤務をしている従業員(時短給付)
<開始時期>
2025年度から実施予定
日本の明るい未来へ向けて…
今回は異次元の少子化対策について、ご紹介しました。
日本では現在、7年連続で出生数が減少しており、2021年の出生数は81万1622人、2022年では4万863人も減少した77万759人となっています。
今回の対策では、まだまだカバーしきれていない課題が多々あるとは思いますが、少しづつでも日本の明るい未来への一助となれば…と願っております。