社会保険に加入しながら働くパートタイマーについて

今回のコラムは顧問先様からもたま~に相談のある、

についてお話していこうと思います。

今回の状況としまして、パートタイマーとなったが週30時間(社保の被保険者数が101人以上であれば週20時間)以上で働くため、社会保険に加入したままのパートさんであることが前提条件となっています。

パートになると時給になることが大半なので、月の給与もグッと下がるかと思います。

その際に苦しいのは、やはり社会保険料の控除ではないでしょうか。

例えば、月40万円の給与だった方は(ざっくりですが)

健康保険料:20,500円 介護保険料:3,731円 厚生年金保険料:37,515円 が毎月、控除されています。

これが月20万円に下がったとしても、しばらくは同額の社会保険料(約60,000円)が控除されてしまうので、ご本人様の手取り額はどうしても低くなってしまいます。

ここで聞かれるのが、「しばらくって…じゃあ、いつから社会保険の控除額が下がるの?」という質問です。

月額変更(随時改定)と注意すべきポイントについて

少しややこしくなりますが、ここでは社会保険の月額変更(随時改定)という制度が関係してきます。

基本的に社会保険の等級は、毎年9月に実施される「定時決定」という制度で見直されることになっています。

しかし、下記の3つの条件に当てはまった方は9月を待たずに、報酬の変動(月給→時給)があった月の4ヶ月目から等級の見直しがされるようになっています。

例えば、末締めで翌25日払いの会社さんで、1/1からパートに切り替えとなった場合、

2/25の給与・3/25の給与・4/25の給与の3ヶ月の平均額が、前よりも2等級以上の差があれば、5月分から等級が変更となります。

ただ、注意して頂きたいのが、多くの会社さんが「社会保険料の翌月徴収」という制度を採用しているので、5月分の社会保険料は実際には、6/25給与の際に控除されるようになっています。

そのため、1/1にパートになった方でも5/25給与までは、月給のときの社会保険料が控除されてしまいます…(長いですね…このあたりの制度改正も早くしてほしいですね)


そしてここが本題なのですが、月額変更の条件の2番目の

これに要注意です。

支払基礎日数とは要するに、出勤した日のことを指します。

月給で働いていたときには、あまり気にしなくとも条件を満たしていましたが、パート勤務の際はシフトで働くケースがほとんどだと思います。

先程の1/1にパートに変更となったケースであれば、1/1~3/31の間は月の勤務日数が17日を下回らないように気をつけてください。(有給休暇も1日分にカウントします)

また、社会保険の被保険者が101人以上いる会社さんで、週20~30h働いているパートさんであれば、月の勤務日数が11日以上あれば、対象となります。

4ヶ月すれば控除額が下がる!と待っていたのに、蓋を開けたら日数を満たしていなかったので、やっぱり9月まで控除額が変わりませんでした…といったすれ違いが起きないようにして頂ければ幸いです。

とはいっても…個々の事情やシフトの組み合わせなどの問題もあると思いますので、絶対に!ではなく無理のない範囲で調整していってもらえればな、と思います。

(そもそもですが、このあたりの社会保険の等級制度自体に疑問を感じる部分もあったりしますが)

細かい条件の確認など気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。