公金受取口座の登録制度について
現在マイナンバーカードの利用に関して、公金受取口座の登録でマイナポイントがもらえるというキャンペーンが話題になっており、申込みをした方も少なくないのではないでしょうか。
では、この制度において企業の総務、労務担当者にはどのような影響があるのでしょうか。
制度の概要
この制度をざっくりと説明すると、個人の預貯金講座の情報を国に登録することで、公的給付を受け取る口座として活用できる制度となります。
公的給付とは、年金や児童手当、税金の還付金、健康保険や雇用保険の給付等があります。
その他、新型コロナウイルス感染症により国民1人に10万円の給付がありましたが、そのような緊急時の給付も受け取る口座となります。
企業のご担当者の方は、公的給付に傷病手当金や出産手当金、育児休業給付金など、会社経由で申請をするものがいくつかあるので、公的受取口座の活用を理解し従業員の方々にアナウンスする必要があります。
メリット
今までは各種給付金申請の際にその都度、申請書に口座情報を記載し、通帳のコピーなどが必要でしたが、これらの確認作業や書類準備が不要となります。
申請時には従来通り口座情報を記載して申請するか、公金受取口座を利用するかを選択することができます。収集すべき情報を省略できる点がメリットと言えるでしょう。
会社が行うべき対応
- 制度の概要、公金受取口座を活用した各種保険給付の支給の周知
- 公金受取口座の登録手続きを行っても、給付金申請手続きそのものは別途必要であることの周知
- 口座情報の変更の確認
上記が主な会社で行う対応に挙げられます。
また、当面の間は公金受取口座の対応可否について行政や健康保険組合の準備状況によっては、都度確認が必要となります。
事務作業においてもデジタル化が進むことは、会社の事務担当者としては好ましいことかと思います。 しかし、新しいことの導入時は予想外のトラブルが起こりやすいため、準備や周知を徹底し、スムーズに導入ができるようにすることが大切かと思われます。