カスタマーハラスメント(カスハラ)が急増している背景
最近、ニュースなどで「カスハラ」という言葉を耳にすることが増えました。
2020年に実施した企業調査では、ハラスメントの相談があった企業の割合は、パワハラ(48.2%)に次いでカスハラ(19.5%)が高くなっており、カスハラ相談件数も増加傾向であるという結果が出ました。
また、別の消費者調査では、新型コロナウィルス流行前よりも、カスハラを見聞きする人が2.4倍に増えたという結果も出ています。
コロナによって人々のストレスや不安が一気に高まり、それが身近な場でのハラスメント多発につながっているのかもしれません。
カスハラとは?
厚労省の指針には、カスハラもパワハラに準じるものとして、事業主に雇用管理上の配慮(取組み)を求めています。
具体的にカスハラとは、
顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合 (例:商品・サービスに欠陥・過失がないのに不当な要求をする行為など)
要求を実現するための手段・態様が不相当な場合 (例:暴言暴行、土下座の要求、商品交換の要求、金銭補償の要求など)
が挙げられています。
従業員の安全配慮のために会社がとるべき対策とは?~裁判例を参考に~
パワハラ、マタハラは職場内で問題になることが多いのに対し、カスハラは、取引先などの対顧客の問題で、従業員の精神的な負担が大きく、深刻な場合には心身に不調をきたし、休職や退職につながるケースもあります。
カスハラを受けた従業員は、加害者である顧客だけでなく、会社に対しても安全配慮義務違反を理由に損害賠償請求ができることになります。
トラブルを完全に避けることは難しいですが、想定できるトラブルについては事前に対策をしておくことが重要です。
対策の一例として、
・クレーマーへの対応マニュアルの作成
・緊急連絡先の周知
・相談体制の整備
などが挙げられます。
また、事前対策だけではなく事後の会社の対応も重要ですので、日頃から従業員への教育指導、トラブル発生時の対応方法の周知などもしておくとよいでしょう。
弊社では、ハラスメント防止に向けた企業の取組みについてのご相談、従業員へのセミナー実施も承っておりますので、お気軽にお問合せください。