育児・介護休業法の改正について
政府は今年の5月、育児・介護休業法の改正を通達しました。
改正の主な目的は「子の年齢に応じた柔軟な働き方の実現」のためです。
今後はより細やかな部分を制度化し、令和7年4月1日から段階的に施行する予定です。
今回はそんな育児・介護休業法の改正の中でも柱となる「子の看護休暇・残業免除の対象拡大」の部分をご紹介していこうと思います。
そもそも子の看護休暇とは?
子の看護休暇とは、
小学校就学前の子どもを養育する従業員が、有給休暇とは別に取得できる休暇制度です。
2002年当初は「努力義務」として定められていましたが、2005年からは従業員の権利として「義務化」されました。
子の看護休暇は、原則として子ども1人につき年間5日取得可能です。(対象となる子どもが2人以上の場合は10日)
ここでの「年間」とは会社で定めていない限りは、4/1~3/31までとされています。子どもの風邪や病気などは前もって分かるものではないので、当日の申出も認められています。
子の看護休暇は法の定める休暇制度であるため、休暇取得を理由にした従業員に対する不利益な査定や取り扱いは禁止されています。
年次有給休暇と違う点として、賃金に関する法律上の定めがないので、子の看護休暇を有給とするか無給とするかは会社が自由に決めることができます。
子の看護休暇についての改正点
ではここからは具体的な改正点について見ていきましょう。
【名称の変更】
子の看護休暇→子の看護等休暇に変更
【対象となる子の範囲】
小学校就学の時期に達するまでの子→小学校3年生修了までの子に拡大
【取得事由】
- 子どもの病気・ケガ
- 子どもの予防接種・健康診断
の場合に休暇が取得可能だったのが・・・
↓
- 感染症に伴う学級閉鎖
- 入園(入学)式・卒園式
の場合でも取得可能に!
【この制度の対象外にできる労働者】
- 雇用期間が6ヶ月未満の従業員
- 週の労働日数が2日以下の従業員
↓
- 撤廃
- 週の労働日数が2日以下の従業員
残業免除の対象拡大の改正点
子の看護休暇については、制度そのものの改正だけでなく、「残業免除の対象も拡大」となりました。
具体的には、今までは「3歳に満たない子を養育する労働者は請求すれば残業免除を受けることができる」という範囲が「小学校就学前の子を養育している労働者までが残業免除の請求が可能」となりました。
規定の変更も進めておきましょう
令和7年4月からの施工となりますので、今すぐに規定を変更すべき!という訳ではないのですが、このタイミングで他にも変更すべき点はないか、などを洗い出ししておいて規定変更の準備を進めておくと安心ですね。