実際に出生時育児休業が始まってみて・・・
出生時育児休業(産後パパ育休)の制度が開始されて、4か月が経ちました。 当事務所の顧問先でも、取得される方が増加傾向にあります。
出生時育児休業は、以前のコラムでも説明したとおり、 育児休業とは別に、子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能な制度です。 分割して2回取得できること、休業中に就業できることが通常の育児休業とは異なり、育児休業を少しでも取りやすくなったのではないかと思います。
実際に手続きをしていく中で、休業取得中に全く就業していない場合は、 特に難しい点はありませんでしたが、就業する場合は少々気を付けなければならない点がありましたので、解説したいと思います。
気をつけるべき点と事例について
最大の気をつけるべき点は、
社会保険と雇用保険で、休業日数のカウント方法が異なる点
です。事例を挙げてみていきましょう。
【1回目の出生時育児休業:2/1~2/16 うち就業が2日のケース】
①社会保険での休業日数は・・・
16日間△就業2日=14日となります。
出勤日数や有給休暇・特別休暇は就業日数としてカウントするので休業期間から除く点にご注意ください。
同月内に14日以上の育児休業となるため、2月分の社会保険料は免除になります。
②雇用保険での休業日数は・・・
雇用保険給付金は、就業日を除かず暦日でカウントするので16日間となります。 休業16日の場合、就業日数は最大6日まで可能なので、当該休業は給付金の対象となります。
ここで、問題となるのが出生時育児休業給付金の上限が28日ということです。 1回目で16日の休業をしたら、2回目は12日分しか残っていない!でも、これに合わせて12日間の休業を申請すると、社会保険料免除の要件を満たさなくなる・・・。とお思いではありませんか?
社会保険料免除と給付金を全期間分受給できるので、ご心配には及びません。
【2回目の出生時育児休業:3/1~3/15 うち就業が1日のケース】
➂社会保険での休業日数は・・・
15日間△就業1日=14日となります。
同月内に14日以上の育児休業となるため、3月分の社会保険料は免除になります。
④雇用保険での休業日数は・・・
15日間となります。
➁との合計が31日間となり、給付金の上限28日分を超えた3日分が申請できなくなります。 この時、事業主と被保険者の間で、通常の育児休業に振り替えて申請するという合意があれば、出生時育児休業給付金でなく育児休業給付金として申請することができるという訳です。
(参考)Q4
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html
お子様の誕生という人生において貴重な時間を有意義なものにしていただけたらという思いで、 当事務所では従業員様の育児休業関連の手続を行っております。