はじめに

7月に提出する「算定基礎届」が終わって、ほっと一息…ですが、その後にすぐにやってくるのが”月額変更届(いわゆる月変)”の確認時期ですね。

-参照 日本年金機構 「月額変更届」

特に8~9月は4月の定期昇給などで、該当者が多い傾向にあり、提出漏れや誤りが多発する時期です。そこで今回は、実務担当者のために月額変更の基本と注意点をQ&A形式で解説します!

🎯今回のコラムの概要

✅️算定後の”次の仕事”は月額変更届!

✅️固定給が変わった社員は要チェック

✅️見落としがちな対象者・提出期限とは?

Q1.「月額変更届」とは何ですか?

保険の文字ブロックとペンギンの置物、10円硬貨が並んだ社会保険料の写真

 

A.被保険者の報酬が大きく変動した場合に、保険料を随時見直すための届出です。

以下の3つの要件を満たした場合に、企業が年金事務者や健康保険組合などに提出します。

条件 内容
①固定的賃金の変更 基本給・手当の変更など
②3ヶ月の平均報酬で2等級以上の差 現在の社保等級の差を元に判断
③支払基礎日数が17日以上(短時間は11日) 雇用形態により基準がある

Q2.では、どのような人が「対象者」になりますか?

💰️4月の定期昇給などで基本給が変わった社員

🚃引っ越しなどで交通費単価が変わった社員

🍼出生などで扶養家族が増え、家族手当がついた社員

🎯インセンティブ制度変更があった社員

などは要注意です。

Q3.報酬が大きく変動とは、どのくらいの差ですか?

A.変動あった月以降の3ヶ月の平均額をみて「社会保険の等級が2つ以上変わる」ことです。

役職手当や住宅手当の追加などで、報酬が 月平均で3万円〜6万円以上増えると、2等級以上の差になるケースが多いです。

例)報酬月額220,000円(等級14)の社員が昇給で260,000円に変更した場合

4月:260,000円(等級16)

5月:260,000円(等級16)

6月:260,000円(等級16)

→合計:780,000円

→1ヶ月あたりの平均額:780,000÷3ヶ月=260,000円(等級16)

2等級上がっているので、月変対象に!

Q4.提出期限はいつまでですか?

A.「固定給の変動があった後、3ヶ月が経過した月の翌月10日まで」です。

例えば、4月に昇給→4~6月を対象→提出は7月10日までという流れです。

Q5.提出漏れがあるとどうなりますか?

A.社会保険料が多すぎたり少なすぎたりすると、従業員や会社に不利益が出ます。

たとえば、後から保険料の徴収が発生したり、給付金の金額にも影響することもあります。

最後に・・・

算定基礎届が終わった後も、月額変更届の対象者の抽出と対応が実務上の重要なポイントです。

給与システムのアラートや、社労士との連携によって漏れなく・遅れなく運用できるようにしましょう。

ご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。