国民年金第3号被保険者とは

国民年金第3号被保険者の手続きに必要な年金手帳と電卓

第3号被保険者とは、会社員や公務員(第2号被保険者)に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者のことです。

配偶者が退職して扶養に入る際や、結婚して専業主婦(主夫)になる際には、必ず第3号被保険者の手続きが必要になります。
しかし、この手続きには意外な落とし穴があります。先日、実際に健康保険組合に「第3号被保険者関係届」の証明を依頼したところ、「当組合では証明は行わない」と言われてしまいました。

のような場合、どう対処すればよいのでしょうか。そもそもなぜ第3号被保険者の届出が必要なのでしょうか。本記事で詳しく解説します。

 

国民年金第3号被保険者の基本知識

厚生年金などの被保険者(第2号被保険者)に扶養されている配偶者で、20歳以上60歳未満の人をいいます。
ちなみに第1号被保険者とは、自営業者、学生、無職など、第2号被保険者、第3号被保険者でない方のことをいいます。

第3号被保険者に該当するケース(5パターン)

[1] 第2号被保険者に該当した場合

  1. 被保険者となった方に被扶養者となる配偶者(20歳以上60歳未満)がいるとき
  2. 被保険者が結婚し、その配偶者(20歳以上60歳未満)が被扶養者となったとき
  3. 被保険者の配偶者(20歳以上60歳未満)が収入減等で被扶養者になったとき
  4. すでに被扶養者となっている配偶者が20歳到達により国民年金第3号に該当したとき
  5. 被扶養者の配偶者が健康保険の任意継続中のため、当該被保険者の被扶養者とならず、国民年金第3号被保険者のみに該当したとき

[2]第3号被保険者に該当しなくなった場合

  1. 第3号被保険者が死亡したとき
  2. 国外に居住している第3号被保険者が被扶養者から外れたとき
  3. 収入が基準額以上に増加し、被扶養者から外れたとき
  4. 離婚等により被保険者との生計維持関係がなくなったとき
収入が基準額以上に増加し、被扶養者から外れたとき2025年の扶養控除・配偶者控除の所得要件緩和も関連しますので、下記の記事も併せてご参照ください。
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協会けんぽと健康保険組合で異なる手続き方法

協会けんぽ加入者の場合(手続きが簡単)

年金事務所に提出する『被扶養者(異動)届』が『第3号被保険者関係届』も兼ねているため、1枚の書類提出でOKです。

  • 提出先:年金事務所
  • 提出書類:被扶養者(異動)届(1枚のみ)

健康保険組合加入者の場合(手続きが複雑)

2種類の書類を別々の場所に提出する必要があります。

  • 『被扶養者(異動)届』→ 健保組合へ提出
  • 『第3号被保険者関係届』→ 年金機構へ提出
※健保組合によっては、第3号被保険者関係届への証明を行わない場合があります(対処法は後述)。

– 参照 日本年金機構 従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き

なぜ第3号被保険者の届出が必要なのか

「そもそもなんで第3号届を提出しなくちゃいけないの?」という疑問が挙がると思います。

それは年金機構が、”第3号被保険者になったのか(ならなくなったか)把握できない”からなんです。

この方の年金を納付してもらわないといけない人なのか、納付義務がない人なのか判断するために必要な届出なのです。ここが疎かになると、配偶者の方が年金をもらう時期になった際も、正しい年金加入記録が取れなくなってしまいます。

国民年金第3号被保険者期間における不整合期間のパターン図解

健保組合が証明してくれない場合の対処法

近頃は健保組合にて「第3号被保険者関係届」の医療保険者記入欄に証明してくれる所は徐々に減ってきている気がします。そうなるとどう手続きしたら良いのか困ってしまいますよね。

解決方法:健保組合から戻ってきた「被扶養者(異動)決定通知書」のコピーを添付して年金機構に「第3号被保険者関係届」を提出すればOKです。

まとめ

マイナ保険証もはじまっていますので、こういった手続きもマイナンバーを元に簡素化されることを願います。
第3号被保険者の手続きでお困りの際は、社労士法人Aokiまでお気軽にご相談ください。