労働契約は口頭でも成立しますが、民法の特別法である労働基準法では労働者の保護をするため一定の事項については、書面で労働者に条件を明示するよう事業主に義務づけています。

口頭で成立する、とはいえ、想像されるとおり後日紛争の際には言った言わないになりがちです。契約当時の労働条件の確認も口頭では困難です。

労働者へ明示する一定の事項とは、

「労働契約の期間」

「就業の場所と業務の内容」

「労働時間や休日などについて」

「賃金の決定や支給方法」

「退職に関する事項(退職事由や手続、解雇の事由を含む)」

は書面を交付して通知する必要があります(労働基準法15条1項)。

実務では上記の事由が網羅されている「労働条件通知書」「労働契約書」で伝えることが一般的です。通知書と契約書の違いは、労働条件通知書は会社から一方的に交付するもの、労働契約書は労使双方で署名捺印を行い、内容について双方合意していることを確認します。

今春、連合が公表した調査結果によれば労働条件通知を実際に書面で行っている会社(n=1000)は59.9%、企業規模が50人未満(n=77)となると49.4%で、まだまだ適正に労働条件の明示がされていないことが想像できます。

社労士からしますと、退職の際に有期契約の期間が不明瞭だった、有期契約の更新条項が記載されていないなど退職後に受ける失業等給付に影響する内容で労使双方の意見が食い違うことが多いと感じます。

なお、2019年4月からは労働者が希望した場合には、書面で明示するほか、SNSを使った方法でも通知することが認められました。

①FAX、②Eメール、③ Yahoo!メール、Gmail等のWebメールサービス、④ LINEやメッセンジャー等のSNSメッセージ機能等(ただし、本人が必要に応じてプリントアウトできることが必要です。)

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参考:連合調べ 入社前後のトラブルに関する調査2022(2022年4月28日発表)