子ども・子育て支援金制度とは

今年4月、子ども・子育て支援金制度がスタートします。これは、少子化・人口減少が進む中で、子どもや子育て世帯を社会全体で支える制度です。

企業は、従業員の賃金から支援金を徴収して国に納める必要があり、給与計算の際に新たな事務が生じます。本稿では、子ども・子育て支援金制度について説明します。事務の見直しの参考にしてください。

健康保険料に上乗せ

子ども・子育て支援金は、子ども・子育て支援法などに基づいて、国が国民や企業から集めるお金です。子どものいる人、子育てを終えた人、単身世帯、高齢者などすべての世代が支払います。集まった支援金は、児童手当や育児休業給付金の拡充などに使われます。

企業は、健康保険に加入している従業員の賃金から、健康保険料に上乗せして天引きし、事業主の負担分を合わせて国へ納めます。納付するのは、今年4月分の保険料(5月末納付分)からです。

電卓とノートパソコンを使って給与計算をする手元。子ども・子育て支援金の計算イメージ

支援金の計算方法

支援金の額は、毎月の給与では、各従業員の「標準報酬月額×支援金率」で、賞与を支給した場合には「標準賞与額×支援金率」で計算します。

令和8年度の支援金率は0.23%で、原則として従業員と事業主が0.115%ずつ負担します。

年収別の支援金額の試算(令和8年度)

政府が年収別の支援金額を試算しているので、以下に紹介します。

年収 被保険者一人当たり(月額)
200万円 192円
400万円 384円
600万円 575円
800万円 767円
1,000万円 959円

※出典:こども家庭庁「年収別の支援金額の試算(令和8年度)」

注1:算出方法は以下のとおり。
・年収(標準報酬総額。毎月の給料とボーナスの合計額)に、国が示す一律の支援金率(0.23%)を掛けて年額を算出。
・年額を、12で割って月額にしたものに、1/2(本人拠出分)を掛けて算出。

注2:令和8年度より支援金を拠出いただくことになるが、社会保障の歳出改革等を行うことで、支援金による負担は相殺されるため、支援金導入に伴う実質的な負担は生じない。

「拠出金」も引き続き納付

支援金の額を従業員に知らせるために、給与明細に明記することが望ましいですが、現時点では義務にはなっていません。

ただし、支援金は従業員の手取り額に影響するため、労使トラブル防止の観点から、給与計算システムの改修で対応できる場合には支援金額を明示し、対応できない場合には、別途、書類を作るなどして従業員に説明すると良いでしょう。

企業が納める支援金の額は、日本年金機構から毎月企業へ届く納入告知書に記載されるので、納入告知書に従って納付します。

子ども・子育て拠出金との違い

子ども・子育て支援金とは別に、企業は現在、「子ども・子育て拠出金」を納めています。厚生年金保険料と併せて徴収し、事業主のみが負担する制度です。金額は現在、標準報酬月額や標準賞与額の0.36%となっています。

なお、「子ども・子育て拠出金」は、4月に子ども・子育て支援金が始まっても廃止されず、引き続き納付が必要となりますので、ご留意ください。

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さいごに

子ども・子育て支援金への対応は、繁忙期の年度替わりに行う必要があります。しかしながら、本稿制作時点では、行政の実務資料が十分に出揃っておらず、具体的な対応方法は、今後の発信を踏まえて整理していくことになります。

そのため、こども家庭庁や協会けんぽ、各健康保険組合のホームページなどをチェックして情報収集に努めると良いでしょう。

弊所でも情報収集・発信に努めてまいりますので、子ども・子育て支援金についてご不明のことがありましたら、お気軽にご相談ください。

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