先日、BS103の「英雄たちの選択」を観ていた時に、興味深いトピックが目に留まりました。    それは、脳科学者の女性が、徳川家康について語った時に出た「マシュマロ実験」についてです。

時の英雄である、織田信長、羽柴秀吉、徳川家康の三人についての話の中で、稀にみる長期平和社会をつくった家康がなぜ成功したのか話している際に、「もし家康にマシュマロ実験を行ったならば、マシュマロを食べずに我慢できた(被験者の)3分の1に入った人だったのだろう」と言っていました。        目の前の欲求に負けずに、物事を長期にわたって考えられる部類に入る人だったからこそ、260年も平和な社会をつくれるようなシステムを構築できたのであろうとの事でした。

この三人の最も特徴的な話で

「泣かずなら泣かせて見せようホトトギス」

「泣かずなら殺してしまうホトトギス」

「泣かずなら鳴くまで待とうホトトギス」

と言う有名な話があるのを思い出しましたが・・・。マシュマロ実験とは一体…?と気になったので早速、調べてみました。

マシュマロ実験とは?

マシュマロ実験、またはマシュマロ・テストとは、子ども時代の自制心と、将来の社会的成果の関連性を調査した著名な実験。スタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェルが1960年代後半から1970年代前半にかけて実施した。

被験者である子どもは、気が散るようなものが何もない、机と椅子だけの部屋に通され、椅子に座るよう言われる。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていく。

子どもたちの行動は、隠しカメラで記録された。1人だけ部屋に残された子どもたちは、自分のお下げを引っ張ったり、机を蹴ったりして目の前の誘惑に抵抗した。小さなぬいぐるみのようにマシュマロをなでたり、匂いをかぐ者もいた。目をふさいだり、椅子を後ろ向きにしてマシュマロを見ないようにする者もいた。映像を分析した結果、マシュマロを見つめたり、触ったりする子どもは結局、食べてしまう率が高いこと、我慢できた子どもは目をそらしたり、後ろを向いたりして、むしろマシュマロから注意を逸らそうとする傾向があることが観察された。すぐ手を出してマシュマロを食べた子供は少なかったが、最後まで我慢し通して2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであった。

ウォルター・ミシェルの娘も実験に参加した一人だったが、娘の成長につれ、ミシェルは実験結果と、児童の成長後の社会的な成功度の間に、当初予期していなかった興味深い相関性があることに気がついた。  そして1988年に追跡調査が実施された。その結果は、就学前における自制心の有無は十数年を経た後も持続していること、またマシュマロを食べなかった子どもと食べた子どもをグループにした場合、マシュマロを食べなかったグループが、周囲からより優秀と評価されていること、さらに両グループ間では、大学進学適性試験(SAT)の点数には、トータル・スコアで平均210ポイントの相違が認められるというものであった。ウォルター・ミシェルはこの実験から、幼児期においてはIQより、自制心の強さのほうが将来のSATの点数にはるかに大きく影響すると結論した。2011年にはさらに追跡調査が行われ、この傾向が生涯のずっと後まで継続していることが明らかにされた。

また被験者の大脳を撮影した結果、両グループには、集中力に関係するとされる腹側線条体と前頭前皮質の活発度において、重要な差異が認められた。同実験は、スタンフォード大学で「人間行動に関する、最も成功した実験のうちの1つ」とされた。

非常に興味深い実験ですよね。                                     皆様は目の前にマシュマロが置かれていたら…我慢できますか?