インターンは”未来の社員”?

インターンシップで先輩社員が学生に指導している様子

インターンシップは今や「採用活動の一環」と言っていいほど重要なイベントになってきています。学生にとっても企業を知るチャンス、企業にとっては将来の人材発掘の場です。

ですが・・・インターンだから労務管理は気にしなくていい」は大きな誤解です⚠️

実は、ちょっとした対応ミスがトラブルや法令違反につながることもあるのです。

今回は、社労士の視点からインターン受け入れ前に押さえておきたい「労務管理の3つのポイント」を分かりやすく解説します。

ー 参照 厚生労働省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」

✅️POINT1:雇用契約の有無と労災保険の扱い

💡インターンでも「労働者」になることがある?

📌報酬の有無が大きな分かれ目です!

  • 指示を受けて働く
  • 報酬がある

この2つが揃うと、インターンであっても労働契約が成立する可能性があります。

インターンのタイプ 雇用契約の可能性 労災保険の扱い
無給・職場体験型 低い 学校側の保険が対応
有償・実務型 高い 企業側で労災保険の適用が必要

📌無給であっても作業中の事故が発生した場合は、「実態が労働とみなされる」ケースもあります。

 →事前に学校や保険会社などに保険適用範囲を確認することが重要です。

✅️POINT2:交通費・謝礼の取扱

💡交通費だけ渡しているけど、これって大丈夫?

📌実費支給はOK!でも謝礼には要注意!

インターンに交通費や昼食代などの実費を支給する場合、その範囲や名目を明確にしておくことが重要です。

支給内容 税務上の扱い 注意点
交通費・昼食代 所得税・社保対象外 名目を明確に
謝礼 所得税対象になる可能性 源泉徴収・支払調書が必要な場合も

📌「就労の対価」とみなされると、税務処理が必要になることも…

 →名目などについて明確な記録を残しておきましょう。

✅️POINT3:ハラスメント予防の体制づくり

💡指導のつもりが、パワハラ・セクハラに?

📌距離感や言葉遣いを会社として徹底していないと、意図せずハラスメントになるリスクがあります。

インターンは学生であり、社会経験が浅いという認識を持っておくことを忘れずに。

特にインターン中は指導者と学生の距離感が近くなりやすく、境界線が曖昧になるケースも。

📋企業ができる対策

  • 指導担当者への研修
  • 事前オリエンテーションを実施し、インターンにもルールを明示
  • インターンとの定期的な1on1面談で不満・違和感の早期キャッチ

最後に・・・

インターンは”未来の社員候補”でもあります。

安心して参加できる環境を整えることは、企業にとってもブランディングや信頼性向上に繋がります。雇用契約の有無や、指導の見直しなど、受け入れ前に改めてチェックしておきしょう。

インターン受け入れに関する労務管理のご相談や、就業規則への反映方法など、人事労務の専門家がサポートいたします。

不安なことなどはお気軽にお問い合わせください!