若手社員の就労意識を知る

若い社員に長く働いてほしい――。多くの経営者がそう願っています。しかし、現実には、新規学卒者の3人に1人が、入社から3年以内に離職しています(厚生労働省調査)。

本稿では、一般社団法人日本経営協会が実施した「若手社会人就労意識ギャップ調査報告書2024~就労後3年目のビジネス・パーソンについて~」から主なデータを紹介します。若手社員の早期離職を防ぐヒントが隠されているので、参考になさってください。

「定年まで」は4位

調査は、大学や専門学校などを卒業後、初めて就職し2年半~3年半経過した正規雇用労働者を対象に、2024年7月に実施されました。有効回答は712人。回答者の業種は製造業、サービス業、医療・福祉など10業種です。

回答者の勤務先の従業員数は、100人以下が28.5%で最も多く、続いて101~300人が16.9%、501~1,500人が16.0%となっています。

今の企業でいつまで働き続けたいか

「今の企業(団体)でいつまで働き続けたいか」(複数回答)という質問に対しては、次のような結果となりました。

今の企業でいつまで働き続けたいかを示す横棒グラフ。次の就職先が見つかるまで27.0%、ライフイベントにあわせて25.3%、転職できるだけの実力がつくまで22.3%、定年まで18.7%

※出典:一般社団法人日本経営協会「若手社会人就労意識ギャップ調査報告書2024」

「定年まで」が4位となっていますが、過去の調査(2019年、2016年)では1位だったので、長期の就労意識は低下傾向にあるとみられます。

転職意向は55%

転職意向についての質問では、「好条件なら転職したい」(48.3%)と「多少条件が悪くても転職したい」(6.7%)を合わせて55.0%でした。

日本経営協会では、「全体的に、状況によっては転職するという意識が一般的になり、企業(団体)側にとっては常に流出の危惧があるが、見方を変えれば、新卒に限らず若手の優秀人材獲得のチャンスも増える。社(職)員の勤続意識を高める施策とともに、キャリア採用にも注力することが考えられる」と分析しています。

6割弱が「昇進したくない」

「現在の企業(団体)でどの地位まで昇進(昇任)したいか」という質問では、最も多かったのが「昇進(昇任)したくない」(58.4%)で、前回調査(2019年)より15.8ポイントも増えました。

昇進しないことによって目指すこと

「昇進(昇任)したくない」と答えた416人に、「昇進(昇任)しないことによって目指すことは何か」(複数回答)と尋ねたところ、下図のような結果となりました。

昇進しないことによって目指すことを示す横棒グラフ。自由な時間を多く持つこと54.6%、周囲を気にせずマイペースで働くこと35.8%、責任を負わないこと29.6%

※出典:一般社団法人日本経営協会「若手社会人就労意識ギャップ調査報告書2024」

ワーク・ライフ・バランスを重視する意識の高まりが、明確に見て取れます。経営者としても、無視することのできないデータと言えます。

どのような職場で働きたいか

「どのような職場で働きたいか」(複数回答)という質問では、以下のような結果となりました。

順位 希望する職場環境
1位 人間関係や雰囲気がよい
2位 上司や先輩が仕事のやり方を具体的に教えてくれる
3位 仕事のルールや決め事が明確になっている

日本経営協会では、「フェアであること、合理的なことを求める傾向が感じられる。上司は、暗黙の了解、阿吽の呼吸といったあいまいな仕事の進め方はもはや通用しないことを改めて認識する必要がある」と強調しています。

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さいごに

日本経営協会は、調査の分析結果をふまえ、デジタル化の推進や、テレワーク、フレックスタイムなど働く場所や時間の柔軟化、心理的安全性の高い職場づくりなどを提言しています。

また、弊所でも、若手従業員の定着に向けた職場づくりについて、相談にのっています。気軽にお声がけください。

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