女性活躍が注目される背景
人口減少に伴い労働力不足が懸念される中で、その対策の一つとして女性の活躍推進が注目されています。また人材確保の面だけでなく、女性の感性や能力を活かすことは、多様化するニーズにこたえる商品・サービスづくりにも寄与するとされています。
本稿では、企業における女性活躍の現状と政府の動向についてお伝えします。
女性活躍の現状
厚生労働省が今年5月に公表した「女性活躍に関する調査」の結果で、基本的な女性活躍指標について最新データ(2023年調査)が示されました。基本的な女性活躍指標とは、以下の3つです。
- ①常用労働者に占める女性の比率
- ②管理職に占める女性の比率
- ③女性の管理職昇進(直近年度)
①常用労働者に占める女性の比率
女性比率「50%以上」と回答した割合を、前回調査(2018年)と2023年調査で比較すると、常用労働者数300人以上の企業では増加、300人未満の企業では減少しています。
②管理職に占める女性の比率
2018年調査と比べ、常用労働者数にかかわらず、「0%」と答えた企業が大幅に減りました。
③女性の管理職昇進(直近年度)
2018年調査と比べ、常用労働者数にかかわらず、女性の管理職昇進「なし」と答えた企業が減りました。
※出典:令和5年度 厚生労働省委託事業「女性の活躍推進及び両立支援に関する総合的情報提供事業」『女性活躍に関する調査』報告書
政府の動き
これら三つの基本的な女性活躍指標について、調査報告書では「全体として、女性活躍の状況は劇的に変化していないが、少しずつ改善している状態であるといえ、道半ばである」と厳しめに評価しています。
政府は、2015年に成立した「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づき、女性活躍推進に熱心な企業に「えるぼし」の認定を与えるなど、積極的に後押ししてきました。
しかし、依然として、欧米主要国と比べて男女間の賃金格差は大きく、女性管理職の比率も国際的に低い水準にとどまっています。
このため政府は今年4月、省庁横断の「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム」を設置し、男女間の賃金格差や女性の出産後の離職など、課題の解決に向け議論を進めています。
さいごに
女性が活躍しやすい環境を整えることで、採用で人材が集まるようになったり、企業全体で仕事の進め方が効率的になったりと、プラスの効果が出た中小企業もあります。
「えるぼし」の認定基準を参考に、継続就業支援、労働時間の管理、管理職比率の向上、多様なキャリアコースの提供といった取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

