オフボーディングとは

「オフボーディング」という言葉をご存じでしょうか。職場で新しい従業員を迎え入れることがオンボーディング、長期休業や退職する同僚を送り出すことがオフボーディングです。

どちらも、職場で適切な対応が求められますが、期待感のあるオンボーディングと比べ、オフボーディングは、関係者が後ろ向きになりやすい傾向があるようです。本稿では、パーソル総合研究所が実施した「オフボーディング(欠員発生時の組織的取組)に関する定量調査」の結果をお伝えします。

退職届と青いペン。欠員発生時の業務引継ぎや組織対応を考えるイメージ

欠員発生の実態

調査は令和6年2月にインターネットで実施。従業員10人以上の組織の正社員37,244人にスクリーニング調査を行い、①半年以内に退職または中長期休業を取った人(前任)、②半年以内に同僚が退職または中長期休業を取り、業務を受け継いだ人(後任)、③半年以内に部下が退職または中長期休業を取った人(上司)を、それぞれ1,350人抽出しました。

4人に1人が「サプライズ欠員」

調査結果によると、退職や中長期休業取得の際、上司にその意思を伝える時期は、平均で4.6か月前。直前から1か月位前に伝える割合は26.2%にのぼり、およそ4人に1人は、組織にとって「サプライズともいえる欠員発生」となりがちなこともわかりました。

欠員補充の状況については、77.0%の組織が「補充なし」と回答しています。

欠員発生後のリスク・トラブル(上位5項目)

欠員発生後のリスク・トラブルについて、上位5項目は次の通りの結果となっています。

順位 リスク・トラブル 割合
1位 他にも退職する人がいそうだ 40.0%
2位 必要な情報や資料が見当たらなかった 33.7%
3位 チームから離れた前任者が以前引き受けた業務が引き継がれていなかった 32.8%
4位 前任者にしかできない業務が残っていた 27.1%
5位 顧客や他部署からのクレームが増えた 13.6%

※複数回答可
※出典:パーソル総合研究所「オフボーディング(欠員発生時の組織的取組)に関する定量調査」

影響を最小限にするために

急な欠員の発生や補充のない状況、さらにはそこから生じるリスクやトラブルが、オフボーディングを「ネガティブな出来事」と捉えさせる一因になっていると考えられます。

同研究所が「欠員が発生した際の個別の対応だけでなく、日常的な組織文化の見直しも重要」と提言しているように、職場への影響を最小限に抑えるためには、日頃の取り組みが欠かせません。

日頃からできる取り組み

例えば、業務の属人化を解消し、多能工化を進めることで、急な欠員にも対応しやすくなり、業務の安定化を図ることができます。

また、普段から円滑なコミュニケーションを心がけ、従業員が気軽に相談できる環境を整えておくことも重要です。こうした取り組みによって、突然の退職や長期休業といった「サプライズともいえる欠員発生」を未然に防ぐことにつながるかもしれません。

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さいごに

退職や長期休業が発生しても、適切に対応できる職場づくりを進めることが、働きやすい環境の整備につながるでしょう。そのためには、日頃から職場の仕組みやコミュニケーションの在り方を見直し、誰もが安心して働ける環境を整えることが大切です。

円滑なオフボーディングを実現することが、結果的に組織の成長にもつながるのではないでしょうか。

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