「給与デジタル払い」についに動きが!?

以前に社労士コラムでも触れた「給与デジタル払い」に2024年8月、動きがありました。

PayPayが給与デジタル払いの「初の指定資金移動業者」として、厚生労働省の指定を受けた!というニュースが発表されましたね。

「これって結局、どうゆうこと?」「この話ってなんか1年くらい前からずっと言ってない…?」と思われる方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、

・改めての給与デジタル払いの概要と注意点

・なぜようやくの開始となったのか

について解説していこうと思います。

給与デジタル払いとは?

給与デジタル払いとは、従業員の給与をスマホ決済アプリや電子マネーなどのデジタルマネーで支払う仕組みです。

労働基準法では、賃金は現金払いが原則ですが、 労働者が同意した場合は、銀行口座への振り込みが認められていました。

現状では、大半の方がこの同意によって銀行振込で給与を支払ってもらっているかと思います。

しかし、世の中のキャッシュレス決済の普及や送金手段の多様化のニーズに対応する必要があるので、 労働者が同意した場合には、給与デジタル払いも認められるようになりました。

なぜ開始されなかったのか?

ただ、このデジタル給与払い…冒頭にも述べたように「なんか前から聞いている気がする」という方も多いと思います。

実はこの制度、2022年11月に「給与デジタル払いに関する労働基準法の改正省令」が厚生労働省から公布され、2023年4月には施行となり、既に制度自体は解禁となっておりました。
(その当時にも大々的に報じられていましたね)

じゃあなぜ今になってようやく動き出したのでしょうか?

それは、「指定資金移動業者」がようやく決定されたからです。

デジタル給与払いは主に「資金移動業者」を介して給与を支払うことになります。

その中でも給与デジタル払いができるのは、
厚生労働大臣に認められた「指定資金移動業者」のみと定められているのです。

この指定業者がずーっと決まらなかった訳ですね。

しかし…ついに2024/8/9に、PayPayが初の指定資金移動業者として認められたと発表がありました。
まずはソフトバンクグループ10社が、希望する従業員を対象に9月分の給与からPayPayアカウントへの給与デジタル払いを開始するようです。

年内には、すべてのPayPayユーザが給与デジタル払いを利用できるように計画しているとのことです。

スマホ決済アプリなどは年々、需要が高まっているので、
今後は、従業員からも給与デジタル払いの要望が挙がってくるかと思います。

給与デジタル払いの動向から目が離せませんね。