会社の飲み会で起きるハラスメントの実態
忘年会・新年会シーズンは、職場のハラスメント相談が急増する時期です。忘年会・新年会、社内の打ち上げ、帰省に合わせた同窓会など、人が集まる場面が自然と増えてきます。
その一方で、実は、ハラスメントの相談が増える“危険シーズン”でもあります。
「お酒の席だからつい……」
「年末年始って気が緩むんですよね」
そう言われることも多いのですが、トラブルになってしまっては後の祭り。
今回は、社労士としてよく見かける“年末年始の飲み会でのハラスメント”とその予防策を、少しフランクにお届けします。

会社の飲み会で起きる”アルコール絡み”の3つのハラスメント
忘年会・新年会といえばお酒。
ですが、お酒が入ると普段はしない行動をしてしまう方もいます。
会社の飲み会で特によくあるのが
- 飲酒の強要(アルハラ)
- 距離感が近くなることで起きるセクハラ
- 酔った勢いでの暴言・パワハラ発言
お酒の勢いは”減罪”ではなく、むしろ職場の場であれば責任が重くなるケースもあります。会社主催の飲み会は“業務の延長”と判断されることもあり、最悪の場合は懲戒処分につながることも。
– 参照 厚生労働省 職場のハラスメント防止対策
また、部下などへの熱い想いを伝えるのは大事なことですが、
「言い方に配慮する」
「相手の人格否定になっていないか」
は常に意識するように心がけましょう💡
👆️ 飲み会ハラスメントを防ぐ3つのポイント
- 「飲めない人には勧めない」を明確に伝える(乾杯の飲み物も自由に)
- 座席はなるべく自由席にせず、配慮が必要な組み合わせを避ける
- 上司側が「今日は無理に飲まなくていいからね」と先に言う
実はこれだけで会社の飲み会の雰囲気が大きく変わります。
帰省・プライベートでの同窓会でも油断は禁物
意外かもしれませんが、社内恋愛や人間関係のトラブルが年明けに増えるのも特徴です。
年末年始は旧友と会う機会も多い時期。
飲み会中に思わせぶりな発言をしてしまったり、SNSでの深夜メッセージがきっかけで、後々トラブルになるケースも。
特に最近は“オンライン同窓会”なども増え、軽いノリのメッセージがハラスメントと受け取られることもあります。
👆️ トラブルを防ぐ3つのポイント
- 深夜テンションのDMは翌朝に送る(送る必要があるのか、も冷静に…)
- 一度断られたら再アプローチしない
- 過去話で必要以上にプライベートに踏み込まない
“個人の自由”の領域とはいえ、どんな行動も記録に残る時代。慎重にいきましょう。
年明けに企業がすべき飲み会ハラスメント対策
年末年始の飲み会でのモヤモヤを抱えたまま仕事始めを迎える人も多く、年明けは相談窓口が混みやすい時期です。
企業としては、こんなタイミングで一度
- ハラスメント方針の周知
- 相談窓口の再確認
- 管理職向けセミナー
- 飲み会のガイドライン作成
などを行うと、トラブル事前防止につながります。
また、従業員側も
「こんなこと言っていいのかな…」
と迷う前に、 “気になったらまず相談” という習慣を持つのが大切です。
まとめ:楽しい時期だからこそ、注意を忘れずに
年末年始は1年の中でも特にイベントが多く、人と距離が近くなる時期です。
会社の飲み会も増え、その分、ハラスメントが起きるきっかけも増えがちです。
とはいえ、少しの意識と配慮で、多くのトラブルは防ぐことができます。
“楽しい飲み会”が”イヤな思い出”に変わらないように――。
今年の締めくくりは、ちょっとだけ冷静に、大人の距離感を持って楽しんでくださいね。
気になる方はお気軽にご相談ください!

